「気づきの力」でいい原稿を作ろう!

「気づきの力」でいい原稿を作ろう!

仙台の文字起こし・テープ起こし専門のカムワードでは、さまざまな案件の文字起こし・テープ起こしを行うため、チームで作業しています。チームメンバーとのやりとりの中では、「気づきの力」が原稿を作る上で大切だ、と伝えています。今回は、「気づき」の一例を紹介してみたいと思います。

誤:学内では、学部長、研究長、事務局長が選ばれています。

正:学内では、学部長、研究長、事務局長が選ばれています。

こちらは大学様の案件です。こちらの大学様では、大学院も設置されています。大学院では、大学の学部に当たるものとして「研究科」が設置されています。ですので、この場合は「研究科長」とすることが適当だと考えられます。
ただし、大学内でも事務部局には課が設置されています。研究支援課や研究推進課といった事務部局を設置している大学もありますので、「課」と「科」の使い分けは注意しています。

誤:内閣府のシステムの中でも、「理系女子をどのように育成するか」が大きなテーマになっています。

正:内閣府のCSTI(システィ)の中でも、「理系女子をどのように育成するか」が大きなテーマになっています。

こちらも、ある大学様の案件です。上の文を読んでみたときに、違和感を覚える人もいるのではないかと思います。どこに違和感があるのかといいますと、「なぜシステムの中で理系女子の育成がテーマになるのか」ということです。このような違和感をしっかりとらえられるよう、注意しながら作業をしています。
ちなみに、下の文の「CSTI」は、内閣府に設置されている「総合科学技術・イノベーション会議(Council for Science, Technology and Innovation)」のことです。この言葉を知っている人であれば、特に迷うことはないでしょう。言葉を知ることも非常に大事なことです。

誤:インフラの超事業化が、これから大事になってくる社会情勢です。

正:インフラの長寿命化が、これから大事になってくる社会情勢です。

こちらは、ある企業様の案件です。上の文を読むと、「おかしいな」と思う人は多いのではないでしょうか。カムワードにご依頼のある案件には、音声がそれほど明瞭でないものも多くあります。そのために、音だけに意識を向けてしまうと、このような文章になってしまいます。文章全体としてしっかり意味が通るように注意して作業をしています。

誤:2008年発行の国連「障害者の権利に関する条約」で、手話が言語であると定義されました。

正:2008年発効の国連「障害者の権利に関する条約」で、手話が言語であると定義されました。

こちらは、ある団体様の案件です。これはありがちな間違いではありますが、言葉に関心のある方ならすぐに分かるかと思います。「発効」は、法律や規則、条約の効力が発生することをいいます。このように、常に言葉に対するアンテナを張ることを意識して、作業をしています。

誤:昭和29年に精神障害者の実態調査が行われました。このときの実態調査の要入院35万人が、厚労省が精神病床を作る数の目標値になりました。

正:昭和29年に精神障害者の実態調査が行われました。このときの実態調査の要入院35万人が、厚生省が精神病床を作る数の目標値になりました。

こちらは、ある学会様の案件です。上の文章は、発言どおりに文字に起こしたものですが、これも知識のある人はすぐに気づくと思います。昭和29年の時点では、まだ厚労省(厚生労働省)は存在していませんね。中央省庁の再編によって厚生労働省ができるのは平成13年のことです。
このように、発言が必ずしも正しいわけではありません。年代や数字、人名などは意外に間違いが多いものです。できる限り調べて、正しいものに訂正するか、「正しくはこうではありませんか」とコメントを付すことを心掛けています。
このような気づきのポイントなどをメンバー間で共有することで、お互いの意識を高めて、クオリティーアップに取り組んでいます。文字起こし・テープ起こしの業者選びの参考にしていただければ幸いです。
仙台の文字起こし・テープ起こし専門のカムワードは、官公庁、大学、出版社などからご依頼をいただいています。文字起こし・テープ起こしに関するご相談はもちろん、文章校正や録音方法のご相談も承っております。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。