決着をつけるにつけられない

決着をつけるにつけられない

「決着がつく」
この短い文を読んで、どのように思うでしょうか。「あれっ?」と思う人もいるでしょう。逆に「どこがおかしいの?」という人もいるのではないかと思います。
私も「重複では?」と疑問に思い、「決着する」と直しました。ただ、ちょっと引っ掛かったので調べてみました。

決着=(いろいろな紆余曲折を経た末に)物事の決まりがつくこと(『新明解国語辞典第八版』)

だそうです。
「『決まりがつく』がつく」ではおかしいですよね。これは重ね言葉であるということが分かります。

しかし、『新明解国語辞典第八版』では、「決着をつける」「決着がつく」といった用例が示されています。
ちなみに、旺文社『国語辞典第十版』でも確認してみましたが、ここにも「決着がつく」という用例がありました。
さらに、日本速記協会の『新訂用字用例辞典』にも「決着がつく」という用例が記載されていました。

国語辞典にもきちんと載っているということは、一般的なものとして定着しているのでしょう。
どこまでを誤用として、どこまでが一般的に許容されるのか。このあたりの線引きが悩ましいところですね。